プログラム紹介
第42号 2008.01.17:「条件付き指示」
<プログラム紹介>
今日のテーマ「条件付き指示」
今日は「条件付き指示」を取り上げます。
これは音声指示の一種ですが、その中では難しい方です。
簡単なものなら3才でもできると思いますが、難しいものは中級課題が半分以上終了した、4才以上のお子さんでないと無理なのではないかと思います。
どういうものか、というと、「~だったら、~しなさい」という指示を出して、それに答えさせるのです。
簡単なものでは、「ママが、『いち、に、さん、はい』と言ったらジャンプしてね」とか、「音楽が止まったら、すわってね」といったものです。
もう少しむずかしいのになると、「お風呂のお水が一杯になったら、パパを呼びに来てね」と言った指示に答えさせます。
またこの手の指示に従えるようになると、「明日、晴れていたら公園に行こうね」といった条件文も理解しやすくなるでしょう。そうすれば、公園に行くつもりだったのに、雤で中止になって、なぜか分からず混乱する、ということもなくなるはずです。
教え方としては、一番簡単なものから始めます。例えば、さっきの例のように「『いち、に、さん』と言ったらジャンプしてね」という指示を出し、最初は「さん」のところで、手を取って促すなどしてジャンプさせます。だんだんプロンプトを減らしていき、「さん」という言葉だけでジャンプができるようにします。
これができるようになったら、『いち、に、さん』と言ったら、すわってね」という指示も出してみます。そうすると、子どもが指示文の後ろ半分、つまり「すわってね」という部分を聞き取っているかどうかがわかります。「『いち、に、さん』と言ったらすわってね」と言ったのに子どもがジャンプしてしまったのなら、指示の文章を本当には聞き取っていなかったのです。
この場合は、プロンプトしてすわらせ、次の試行からプロンプトをフェーディングしていきます。そしてプロンプトをゼロにしてから、もう一度「ジャンプしてね」の方に移り、最後に「ジャンプしてね」と「すわってね」のランダムローテーションを行ないます。
下の句をいろいろ変えても大丈夫になったら、今度は上の句を変えてみます。例えば「ママがタンバリンをたたいたら、ジャンプしてね」にしてみます。これだけなら何度かプロンプトすれば覚えるでしょう。
少し簡単すぎる、と思ったら、楽器をいくつか用意します。例えば笛、カスタネット、タンバリン、おもちゃのピアノ、トライアングル。そして「ママがタンバリンを叩いたら、ジャンプしてね」と指示を出します。
この場合、タンバリン以外の楽器を鳴らしたときにジャンプしてしまったら、不正解にするのです。これだと急に難しくなりますね。
この課題はもっと難しくすることも出来ますが、日常生活の必要と離れてことさらに難しくするのは、子どもを必要に苦しめるだけです。それより日常生活に役立ちそうなプログラムを考えましょう。
例えば路上で、「ママが『車』と言ったら、道の端に避けなさい」という指示を出します。最初は「車」という度に子どもの身体を持って道の隅に寄らせます。徐々にプロンプトを減らします。
あるいは、「時計の長い針が4のところに来たら、テレビをつけていいよ」といった指示を出します。こういう指示に答えられるようになると、ずいぶんやりやすくなりますよね。
それ以外にも、皆さんでいろいろ考えてみて下さい。
藤坂