ABAの新しい資格
皆様、
ABAの新しい国内資格「ABA発達支援士Basics」がスタートします。私も発起人の一人に名を連ねています。
https://eds-network.org/aba
二年ほど前に、私がエルチェの竹島先生、ADDSの熊さん、竹内さんに声をかけて、ABAに基づく発達支援の国内共通資格を作ろう、ということで準備会をスタートさせました。
ABAの資格には、国際資格と国内資格があります。国際資格としては、BCBAがいちばん有名でしたが、二年ほど前に、北米限定資格になって、日本では取れなくなりました(初級資格のRBTもそうです)。
代わりに日本で取れる国際資格としては、QBAやIBAがあり、私もQBAを取らせていただきましたが、取得には100万円以上の費用が必要で、つみきの会・NOTIAの私以外のスーパーバイザークラスのセラピストに取らせたくても、資金的に困難な実情がありました。
一方、日本国内資格としては、つみきの会のABA療育支援士やTogether社の認定ABAセラピストなどがありますが、いずれも初級レベルの上に、それぞれの団体が個々に資格を出している状態で、ABA界の共通資格と言えるほどの広がりは持っていません。
それならば、ABAに基づく発達支援のいわば老舗である三団体が協力し合い、国内の専門家の協力も求めて、いわば日本版BCBAを作ろうじゃないか、というのが、当初の意気込みでした。
ただ、最初からBCBAレベルの上級資格を作るのは荷が重いので、まずは初級レベルの、発達支援に特化した共通資格を作って、ABAのすそ野を広げようということになりました。
その後、元慶応義塾大学教授の山本淳一先生、元星槎大学教授の杉山尚子先生、鳥取大学教授の井上雅彦先生にお声がけして、初級資格用のテキスト執筆にご協力いただくことになりました。それから一年以上かけてこの度ようやくテキストが完成し、第一期受験生の募集開始にこぎつけた、という次第です。
まずは初級資格から始めて、このあと、中級資格、上級資格と、徐々に階層を上げていく予定です。ただしBCBAのようなABA全般を対象とする資格ではなく、ABAに基づく発達支援に特化した、ABA発達支援、という独自のコンセプトを持った資格としてスタートします。
初級資格、ABA発達支援士Basicsは、初級テキストの理解を求める筆記試験が課せられるだけで、実技試験はありません。ですから、ABAセラピストとしての実力を保証するものではありません。その代わり、18歳以上の人なら、支援者でも親でも、だれでも受けることができます。この合格者が、今後、日本のABA発達支援のすそ野を広げる土台となってくれたら、と願っています。
<ABA療育支援士との違い>
つみきの会の「ABA療育支援士」は、丸三日間の講義と実技実習を経て、筆記試験と実技試験の両方に合格することを求める、かなり厳しい試験です。初級レベルとはいえ、頭の中の知識だけではなく、実際にセラピーができる人材を養成しようとしています。その点、新設のABA発達支援士Basicsとは違い、独自の価値があると考えています。これからも、ABA療育支援士の養成は続けていくつもりです。
どちらの資格も広がってくれればうれしいです。
藤坂