プログラム紹介
第19号 2007.07.26:「3歳頃のプログラム」
<プログラム紹介>
今日のテーマ「3歳頃のプログラム」
今日は、私の娘が、セラピーを始めて1年1ヶ月経った、3歳3か月頃の一日(1998.8.24)のプログラムを紹介します。この期間はちょうど、私が当時勤めていた短大が夏休みだったので、いつもより盛り沢山のプログラムをこなしています。 ここに紹介するのは、私の担当分で、妻はこれとは別に、20種類近いプログラムをこなしています。
セラピー時間は、この当時、一日5,6時間でした。 以下は、私のこの日のセラピーノートからの書き写しです。カッコ内は、今回書き加えた解説です。
<新語>
しっぽ、シール、信号、糸、壁、天井、夜、せき、穴 (この頃、物覚えが速くなってきたので、新しい名詞をどんどん教えています。
この日新たに導入したのは、「シール」と「穴」でした。残りは最近導入したばかりなので、毎日、忘れないように数試行ずつ確認したいと思って、ノートに記載してあるものです。しかし毎日、ここに挙げたすべての名詞を復習できている訳ではありません)
<再強化>
コスモス (これは、以前に教えた名詞を復習していて、忘れていたことに気付いたので、教えなおしている言葉です。この日は「コスモス」をインプットしています)
<要求>
つけて、取って、立っていい? (要求の言葉、いわゆるマンドです。この日新しく教えたのは、「立っていい?」その前の日は「つけて」を教えたので、要復習項目として、この日のノートに載っています。「取って」はその前に教えたのでしょう)
<動詞>
あおいでる (動詞も毎日、少しずつ増やしています。この「あおいでる」は前日に導入したもので、この日はそれの定着を図っています。この日は新しい動詞は導入していません。物の名前は、この頃になると、一日1,2個のペースで覚えていっていましたが、動詞はそれほどスピードが速くなかったし、また動詞の数は名刺に比べればうんと少ないので、名詞に比べれば、ゆっくりしたペースで教えています)
<形容詞>
はやく/ゆっくり、広い (「はやく/ゆっくり」は、数日前から教えている継続項目。「広い」は前日から教え始めた新しい概念です)
<時制>
のんでる/のんだ (この時期は、まだ未来形(のむ)は教えておらず、現在(進行)形と過去形の区別だけです。) <助詞>~をもってる、~をふってる、~にさわってる (これ以前は、「つみき持ってる」などと、助詞抜きの文を言わせていたのですが、この少し以前から、助詞を付けることを教え始めたようです。しかしこの頃にはさらに進んで、次の、2つの助詞を使う3語文に力点が移っています) <~で~を~してる> はさみで~を切ってる、タオルで~をふいてる、かなづちで~をたたいてる (いわゆる「具格」つまり道具を表わす「で」を使って、三語文を話す練習です)
<絵>
○におめめ (簡単な絵を描くプログラムです。この日は、顔の輪郭の中に目を描かせています) <質問の弁別>誰?/何してる?、これ何/色/形/どこ/いくつ (「これ何?」以下は復習項目で、この日は新たに「誰?」と「何してる?」の区別を教えました)
<鳴き声>
からす (知識を増やすプログラムの一環として、この頃、動物の鳴き声を教えていました。この日はカラスの鳴き声「カーカー」を教えたようです。)
<機能>
たたくもの (身近なものについて、「何するもの?」と聞いて、機能を言わせるプログラムです。この日は、かなづちについて、「たたくもの」と教えています)
<分類>
虫/動物 (分類概念も少しずつ増やしています。この日は、数日前から教えている、虫と動物の区別を継続しています)
<ここ/あそこ>
(指示代名詞の使い分けです) 以上、3才当時のプログラムの紹介でした。
藤坂