プログラム紹介
第34号 2007.11.15:「小学校に入ってからのABA」
<プログラム紹介>
今日のテーマ「小学校に入ってからのABA」
このコーナーではこのところ、わが家の娘が3才頃に行なっていたプログラムを紹介していますが、今月はちょっと趣向を変えて、小学校に入ったあと、娘にどんなことをやってきたか、ということを紹介してみます。
2 才からのABAで娘はずいぶん伸びましたが、それでも残念ながら軽度から中程度の知的障害が残ってしまいました。社会性の障害も越えがたいものがありました。いまも、クラスの子供たちとほとんど没交渉で、一緒に遊ぶことはありません。
私は仕事が忙しいのを理由に、小学校に入ると夜の1時間のセラピーもやらないようになってしまいました。あとは妻が専ら学校の勉強を教えて、私は主にピアノとおふろ担当、ということになりました。
ですから、あまり偉そうなことは言えないのですが、そういうご家庭の方がむしろ多いのではないか、と思うので、ご紹介します。
まず幼稚園までは、どんなプログラムをすればいいのか、結構迷いましたが、小学校に入ると、とにかく学校の勉強について行かせなければいけないので、それだけでいくら時間があっても足りなくなり、プログラムで悩む、ということはなくなりました。
私は学校の勉強は妻に任せて、娘の身辺自立に力を入れました。妻はそちらには余り関心がなかったので、私が気にかけざるを得なかったのです。
例えば、娘は幼稚園の時にはもう大も小もトイレでできるようになっていたのですが、大の時におしりを拭くのがあまり上手ではありませんでした。小学校低学年の時に一度教えて、上手になった、と思っていたのに、小学校高学年になってから、まだうまく拭けていない、ということが発覚したので、それをもう一度教えることになりました。
やり方ですが、まずひざの上でトイレットペーパーをたたませます。たたんだペーパーを持たせて、おしりを拭かせます。
このとき、お尻の穴にちゃんと手が届いているか、きちんと拭けているか、が問題です。
まずハンドオーバーハンド(HOH)で、つまり子どもの手を取って、おしりの穴を拭かせます。バッチいのでお尻の穴はさわりませんでしたが、何度もペーパーでさわらせ、正しい位置をさわっているか、子どもを前屈みにさせて後ろから覗いて確認しました。
それから低学年の時にしなかったのですが、高学年になってからはさらに徹底させるために、おしりを拭いてからトイレットペーパーを見させて、うんちが付いているかどうか、確認させることにしました。付いていればほめてあげて、付いていてもいなくても、計3回おしりを拭かせます。
服のたたみ方は体育の時に体操服に着替えるので、その時を利用して教えました。一番難しいのは、たたむことよりも、たたんだあとでその服を手提げ袋にきれいに入れることです。これは今でも余りうまくできません。 娘は着替えた服をぐっと袋につっこむので、袋が膨らんでしまって、机のサイドのホックに掛けると、他の子どもの通行の邪魔になるのです。
外出時は、「ストップ」といったら必ず止まる、「左」と言ったら道路の左端に、「右」と言ったら右端に避ける、と言った交通安全スキルを教えました。 最近になって娘はようやく、そういう指示をしなくても、後ろから来る車の音に気が付いて、どちらかに避ける、ということができるようになりました。これも最初は避けるべき時に声を掛けたり、背中を軽く押すことでプロンプトしますが、徐々にプロンプトを減らしていきます。
まだまだご紹介したいことはあるのですが、もう眠くなってしまったので、今日はこの辺で。
藤坂龍司