ABAミニ知識
第44号 2008.02.21:「機能分析」
<ABAミニ講座>
今日のテーマ「機能分析」
機能分析って何かというと、問題行動が何によって強化されているかを突き止める作業のことをいいます。「機能アセスメント」という言葉もあって、この二つを区別する人もいますが、まあ、同じだと思っておいて下さい。
やり方ですが、基本的に
「問題行動の前に何が起っているか」(事前の出来事)と、
「問題行動の後に何が起っているか」(事後の出来事)
の二つを観察して、そこから、その問題行動の強化子を推理するのです。
例えば、教室で泣き叫ぶ、という問題行動があるとします。そうすると、まずそれがどんな時に起っているか、を観察します。その結果、体育や音楽、理科の実験など、刺激の多い授業のときは余り起らないで、算数や国語など、比較的動きの少ない授業の、それも後半によく起っている、ということが分かったとします。
次に問題行動のあとで何が起っているか、を観察します。そうすると、泣き叫んだ結果、先生が声をかけてくれたり、時には別室に連れて行ってもらったりしている、ということが分かったとします。
この二つのことから、この問題行動は何によって強化されたと考えられるでしょうか。つみきの会の会員さんなら、だいたい分かりますよね。
単調な授業のしかも後半、というと、その子は退屈で、おそらくは苦痛な状況にあったと思われます。一方泣き叫んだ後は、先生が声をかけてくれたり、教室から出してもらったりして、退屈が紛れ、苦痛な状況からは脱出できています。そうした、一言で言えば「注目」や「苦痛な状況からの回避」が、この場合の強化子になっていると推測されます。
機能分析は、ABAの一般向け講習会で、必ずと言っていいほど、取り上げられます。問題行動の解決に役立つので、ABAの「売り」の一つです。 しかしABAの基本原理や問題行動のよくある機能について予備知識のない人に機能分析をやってもらうと、事前事後のどんな出来事に着目したらいいのかよくわからないので、「何を書いたらいいか、わからない」と言われることが多いです。
機能分析をする前に、問題行動のよくある機能、すなわち、①要求の実現、②回避、③注目、④自己刺激、の4つを、よく頭に入れておきましょう。
藤坂